近年、SNSを活用した収益化の手段がますます多様化しています。その中でも、X(旧Twitter)の「サブスクリプション機能」は、個人クリエイターや情報発信者にとって注目のサービスです。ファンとのつながりを強化しながら、安定した収益を得られる可能性があるこの機能ですが、「どう始めるの?」「いくら稼げる?」「申請は通るの?」といった疑問も多く聞かれます。
この記事では、Xのサブスクリプション機能について、始め方や収益化のポイント、注意点までを徹底的に解説していきます。まずは前編として、そもそもXのサブスクリプションとは何か?そして実際に始めるための条件や手順について、詳しくご紹介していきます。
Xのサブスクリプションとは?収益化の新たな選択肢
Xで利用できる2つの収益化機能とは
Xでは、現在大きく分けて2種類の収益化機能が用意されています。
1つ目は「クリエイター収益配分」という仕組みで、これは広告収益の一部をXが対象ユーザーに分配するというものです。ポストが多く読まれ、エンゲージメントが高いクリエイターに対して広告収入の一部が還元される仕組みで、いわばYouTubeの収益分配に近い形です。
そして2つ目が今回のテーマである「サブスクリプション機能」。こちらは月額課金によって、フォロワーが特定のクリエイターを支援できるという仕組みです。クリエイター側は、サブスク加入者向けに限定ポストや限定スペース(音声配信)を提供することができ、ファンとの距離を縮めつつマネタイズも可能になります。
サブスクリプション機能の概要と特徴
サブスクリプション機能は、フォロワーとの関係性を深めたいクリエイターにとって非常に有効な手段です。ユーザーは、月額制で好きなクリエイターを応援し、対価として特別なコンテンツを受け取ることができます。
特徴的なのは、サブスクに加入したユーザーのプロフィールに「バッジ」が表示される点です。これによってクリエイター側も誰が支援者なのかを把握しやすく、コミュニケーションも取りやすくなります。
また、提供できるコンテンツの幅も広がっており、従来の投稿(ポスト)に加えて、「限定スペース」や「今後導入予定のニュースレター」なども準備されているとのことです。
ピンクのアイコンが目印!サブスク登録の流れ
実際にX上でサブスクリプションの対象になっているクリエイターのプロフィールを見ると、フォローやメッセージボタンの近くに「ピンクの星マーク」が表示されています。このアイコンが、サブスクリプションの入り口です。
タップすると、「このクリエイターをサブスクライブする」という画面に切り替わり、月額料金・提供される特典・支払い方法などを確認することができます。承認すれば、すぐに加入が完了し、その瞬間から限定コンテンツにアクセス可能となります。
クリエイター側にとっても設定はシンプルで、審査を通過した後は、紹介文や料金、特典内容を設定すればすぐにサービスを開始できます。
Xサブスクリプションの始め方と申請条件
サブスク開始の手順を解説
サブスクリプション機能を利用するには、まずXの「収益化メニュー」から申請手続きを行う必要があります。アプリの場合は、メニュー内の「プロフェッショナルツール」や「収益化」の項目からアクセス可能です。
その中に「サブスクリプション」というメニューがあり、そこから申請へと進めます。審査に通れば、すぐに設定を行いサービスを開始できます。
設定の流れとしては、以下の通りです。
- 紹介文の入力
- 提供する特典の選定(限定ポスト、スペースなど)
- 料金プランの選択(1ドル〜239ドルまで)
このように、操作自体は非常に簡単で、審査をクリアすればすぐにサービスを始められるのが魅力です。
最新の申請条件とそのハードル
2023年12月に条件が更新され、現在の申請要件は以下の2つです。
- フォロワー数:2000人以上(プレミアムアカウント)
- 直近3ヶ月でのインプレッション数:500万回以上
この条件は、一見するとかなりハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、地道にX運用を続けていれば十分に到達可能な数字でもあります。特に最近は審査の通過率も上がっているという声も多く聞かれます。
審査が通りやすくなった背景とは
以前はサブスク申請の審査がかなり厳しく、通らないケースも多かったようです。しかし最近では、X側が収益化機能を広げる方針を打ち出しており、申請後の審査スピードや通過率が改善されたと言われています。
また、過去に申請して通らなかった人に対しては、再審査を促す通知も出ているようです。これは裏を返せば、「今ならチャンスがある」とも言えます。
申請が通らなかった場合の再挑戦のポイント
仮に一度申請して審査に落ちてしまった場合でも、諦める必要はありません。以下のような対策を取ることで、再申請時の通過率を高めることが可能です。
- プロフィールや投稿内容をより明確に整理する
- プレミアムアカウントに登録する
- フォロワーとの交流を増やし、エンゲージメントを高める
特に投稿の内容が一貫している、または専門性があるアカウントは、X側からも「コミュニティを築けている」と評価されやすい傾向があります。
サブスク設定項目と価格の決め方
紹介文と特典内容の考え方
Xのサブスクリプションを開始する際には、「紹介文」と「特典内容」の設定が最初のステップになります。これは、加入を迷っているフォロワーに対して「どんな価値があるのか?」を端的に伝える非常に重要なポイントです。
紹介文は、プロフィール画面に表示されるサブスク案内の文章です。ここでは、あなたがどんな情報を提供しているのか、加入すると何が得られるのかを具体的に記載しましょう。
たとえば、以下のような要素を盛り込むと効果的です。
- 限定ポストの内容(例:運用ノウハウ、日常の裏話、未公開の考察など)
- 限定スペースの実施頻度(例:週1回の音声配信など)
- 質問対応やDM返信などの特典(もし設定する場合)
情報系やビジネス系のアカウントであれば、有益なノウハウや分析、最新の業界トレンドを定期的に発信するスタイルが支持されやすいです。一方、ファンとの距離が近いタイプの発信者であれば、日常の裏側や未公開の思いなどを見せることで親近感を高めることができます。
「限定性」と「加入するメリット」が明確に伝わる紹介文を作成することで、加入率の向上が期待できます。
料金設定はどうする?おすすめの価格帯
Xのサブスクリプションでは、1ドルから最大239ドルまで、段階的に料金を設定することができます。しかしながら、日本のユーザー層や文化的背景を考慮すると、1〜5ドル(およそ100円〜500円)の低価格帯からスタートするのが現実的です。
実際、1ドル(約100〜120円)の設定にしているクリエイターも多く、加入のハードルを下げることで、より多くのユーザーを巻き込む戦略として機能しています。価格を高くすれば1人当たりの単価は上がりますが、加入者数が減ってしまえば本末転倒です。
「サブスクはまず“入ってもらう”ことが第一」と割り切って、最初は低価格での運用をおすすめします。その後、加入者が増えて需要が高まれば、追加プランを用意するなど、段階的にステップアップしていくのが理想的です。
また、複数プランが導入できるようになった場合は、「情報閲覧だけの1ドルプラン」と「直接交流も含む3ドルプラン」といった形で層に応じた戦略も視野に入れておきましょう。
Xで提供できる限定コンテンツの種類
サブスク加入者に対して提供できるコンテンツは現在、以下の3つがメインとなっています。
- 限定ポスト
サブスク加入者のみに公開される投稿です。通常のポストと同じように投稿できますが、見られるのは加入者のみになります。未公開の考察やコアな情報、画像付きのまとめなどが好まれる傾向です。 - 限定スペース(音声ライブ)
スペース機能は、音声で交流できるライブ形式のコンテンツです。限定スペースにすることで、よりクローズドな交流が実現できます。Q&A形式や裏話トーク、リアルタイムでの情報解説など、さまざまな使い方が可能です。 - 今後導入予定の機能(例:ニュースレターなど)
現在は準備段階ではありますが、Xの公式によると、将来的には「ニュースレター形式の配信」も可能になるとアナウンスされています。これは、従来のメルマガのように、より深い情報や長文の配信ができるようになるため、情報系アカウントにとっては特に有利なツールとなるでしょう。
これらの機能を組み合わせて、あなたのアカウントに合った特典を構成していくのがポイントです。
バッジやラベルは自動付与で手間なし
Xのサブスクでは、加入者に対して「バッジ」が自動で表示されます。具体的には、プロフィール画像の横に小さなサブスクアイコンが付きます。このおかげで、誰が加入者なのかが一目で分かる仕組みになっており、フォロワーとのコミュニケーションに役立ちます。
たとえば、返信の優先度を上げたり、加入者向けのリプライを意識して対応することで、満足度向上につながります。
このバッジは自動で付与され、クリエイター側が何か操作をする必要はありません。そのため、管理コストがほとんどかからないのもXサブスクのメリットです。
実際に稼げるのか?運営者の収益とリアル事情
1ドルプランの収益例と課題
実際にXのサブスクリプションを1ドルで展開しているクリエイターの中には、月間で100人以上の加入者を獲得しているケースもあります。仮に100人であれば、収益はおおよそ100ドル(約1万5千円)前後。大きな金額ではないかもしれませんが、副収入としては十分魅力的な額です。
ただし、Xでは一定の条件を満たさないと報酬が支払われない仕様になっており、最低支払額が50ドルに設定されています。つまり、加入者が少ない場合は数ヶ月単位でしか収益を受け取れないこともあり得るのです。
さらに、支払いタイミングも毎月固定ではなく、タイムラグが生じるケースもあるため、安定したキャッシュフローを求める人にとってはやや不便と感じるかもしれません。
生活レベルで稼ぐには?加入者数と影響
生活費レベルで稼ぐことを目指すのであれば、最低でも数百人規模の加入者が必要です。仮に月1ドルのプランで500人が加入していれば、500ドル=およそ7万円強となります。副業としては十分ですが、本業としてやっていくにはさらに大きなスケールが必要です。
価格を上げれば単価は上がりますが、その分加入者が減るリスクもあります。したがって、どの層に向けたコンテンツかを明確にし、その層にとって“払う価値のある情報”を提供できるかどうかが鍵となります。
Xユーザーのサブスク慣れ度と普及率
Xのサブスクリプションは、まだ日本国内では浸透しているとは言い切れない状況です。YouTubeやnote、メルマガ文化に比べると、月額課金への心理的ハードルが高く、「登録するほどではない」と感じるユーザーも多いのが現実です。
そのため、「サブスクってなに?」という層にも分かりやすく説明する工夫や、加入前に価値を体験してもらえるような投稿(無料で読める内容の一部公開など)が有効です。
また、加入者が増えれば増えるほど、「自分も参加してみようかな」という心理的な安心感が働きやすくなるため、最初の10人、30人、50人をどう獲得するかが最初の勝負所になります。
将来性と市場の可能性についての考察
X自体がサブスクリプションに力を入れている今、機能の拡張や改善は今後さらに進むことが予想されます。前述したニュースレター機能のように、「情報にお金を払う」文化がこのプラットフォーム内でも根付き始めれば、クリエイターにとっては収益化のチャンスがさらに広がります。
また、Xの強みは何といってもリアルタイム性と拡散力。これを活かして「旬な情報」を扱えるクリエイターにとって、サブスクの仕組みは非常に相性が良いといえるでしょう。
Xサブスクリプション運用のコツと注意点
加入者を増やすためのコンテンツ戦略
サブスクリプションを開始した後、最も重要なのは「加入者をどうやって増やすか」です。ただ開始しただけでは、加入者はなかなか増えません。ここで求められるのは、戦略的なコンテンツ設計と発信スタイルの工夫です。
まず意識したいのは、「加入前のフォロワーにも価値が伝わる投稿をする」ということ。たとえば、過去に配信した限定コンテンツの一部を切り抜いて公開したり、サブスクでしか得られない特典内容をチラ見せすることで、「気になるから入ってみよう」と思わせる導線を作ることが大切です。
また、以下のようなポイントも意識すると加入率アップにつながります。
- 限定ポストの更新頻度を明記(例:週に1回)
- サブスク加入者限定のQ&Aやお悩み相談など双方向コンテンツ
- リアルタイム性の高い情報(トレンド、速報など)
- 加入者の声やレビューを紹介して信頼感を演出
加入者が少ない初期段階では、「最初の10人」を獲得することを最優先に考えましょう。SNSの性質上、加入者が可視化されると他のユーザーにも安心感を与えるため、最初の山をどう超えるかが非常に重要です。
収益の支払い条件とタイミングに注意
Xサブスクリプションの大きな注意点の一つが、「収益の支払いタイミングと条件」です。これを把握していないと、思っていたタイミングで報酬が受け取れず、モチベーションの低下につながることもあります。
現在、収益の支払いには以下のような仕様があります。
- 最低支払い額は50ドル以上
- 支払いは月次固定ではなく、X側のタイミングに依存
- 支払いが数ヶ月空くこともあり得る
たとえば、月10ドルしか収益が発生していない場合は、5ヶ月間収益が発生し続けてようやく支払いが発生する、といった形です。これは継続的に運用しなければ現金化できないことを意味します。
この仕様のため、「すぐに現金が必要」という人には不向きです。副業的に、または本業にプラスして活用するという位置づけで考えるのがベストでしょう。
他のサブスクプラットフォームとの違い
Xのサブスクリプションと、他の代表的なプラットフォーム(例:note、有料メルマガ、PixivFANBOXなど)を比較すると、以下のような違いが見えてきます。
項目 | Xサブスク | note定期購読 | メルマガ(Substackなど) |
特徴 | SNS連携・拡散力が高い | 文章特化・ファン形成に強い | 長文・情報特化・配信自由度が高い |
開始条件 | フォロワー数やインプレッションなど審査あり | 基本的に誰でも開始可能 | 誰でも無料で始められる |
支払い面 | 最低支払い額・タイミングの制限あり | 月次払いで安定 | 収益化設定で月次や都度払いが選べる |
拡張性 | 音声・今後のニュースレターなども対応予定 | コンテンツ形式が制限されがち | 高いが読者獲得が難しい場合も |
このように、Xのサブスクは「拡散性」と「気軽さ」に強みがある一方で、「支払いの自由度」や「コンテンツの表現力」ではやや制約があるとも言えます。そのため、他のプラットフォームと併用し、それぞれのメリットを活かす戦略が非常に有効です。
たとえば、Xではライトな情報提供やコミュニケーションを中心に、有料メルマガでは濃い内容を配信するなど、使い分けると読者にも価値を提供しやすくなります。
Xはメインではなく“サブ運用”がおすすめ?
結論から言うと、現時点ではXのサブスクリプションは「サブ的な運用」が最も現実的です。
というのも、前述のように支払い条件やタイミングの柔軟性が低く、さらにサブスク文化自体がX内ではまだ広く浸透しているとは言えないからです。特に日本国内では、「Xで月額課金」というスタイルがまだ一般的ではなく、登録への心理的ハードルがあるユーザーも少なくありません。
一方で、Xはリアルタイム性や拡散力、コミュニケーションのしやすさという強みがあります。これを活かして、「Xでは見せられない裏話はこちらで」と導線を引いたり、「フォロワー限定で質問受付中」といった施策で関係性を強化することで、サブスクに誘導しやすくなります。
そのため、以下のような立ち位置でXサブスクを活用するのがベストです。
- 他のメディアやサービスへの“集客拠点”として使う
- フォロワーとの密な交流を図るための場として活用する
- プレミアムコンテンツの「お試し版」的な位置づけで展開する
将来的にX内でのサブスク文化がより根付けば、メインの収益源として活用する余地も出てくるでしょう。今は、地道に土台を築きつつ、「いずれメインになってもいいように準備しておく」スタンスが最適です。
まとめ:Xサブスクは収益化の一歩目に最適
Xのサブスクリプション機能は、収益化のハードルが少し高めではあるものの、ファンとの関係性を深めながら収益を得るには非常に魅力的な仕組みです。情報発信やSNS運用をすでに行っている方であれば、導入の価値は十分にあります。
ポイントは以下のとおりです。
- 導入には申請条件があるが、近年は通過しやすくなっている
- 料金設定やコンテンツ設計が加入者数に大きく影響する
- 収益はすぐに得られないため、中長期的な視点が必要
- 他のプラットフォームとの併用で効率的な運用が可能
最初は1ドルプランなどで気軽に始めてみるのがおすすめです。小さなスタートが、思わぬ収益やファンとの強い結びつきにつながる可能性もあります。Xのサブスクリプションをうまく活用して、あなたの情報発信を次のステージへと引き上げていきましょう。
今ではこうしてビジネスについてのブログ記事を書いたりしていますが、私は昔、半年間副業ビジネスを実践するも1円も稼げないようなまるでセンスの無いタイプの人間でした…
しかしそんな私でも、ビジネスで稼ぐために必要な"あること"を学ぶことで、一気に稼げるように。稼げるか、稼げないかは、ほんのちょっとのコツを知っているかいないかだけなんです。
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